制作依頼・デザイン修正の伝え方
チラシやパンフレットの修正はどう頼めば伝わる?
AI・デザイナーへの7つの指示
結論:修正指示は「どこを・なぜ・どう変えるか」に加え、「何を変えないか」まで伝えます。対象者、目的、優先順位、参考資料、最終決定者をそろえると、AIでも制作会社でも解釈のずれと手戻りを減らせます。
デザイン修正の伝え方に、どんな新しい動きがありますか?
確認できる最新情報:Canvaは2026年10月29日、デザインの構造を理解し、指定した変更を行うAIモデル「Canva Brush」を発表しました。発表時点ではCanva Proの対応する編集で利用でき、より広い提供は今後とされています。既存デザインの一部変更、複数ページの一括更新、別媒体向けの展開などが例示されています。
Figmaは2026年10月31日の公式記事で、AI編集の指示について、変更内容を具体的に書くだけでなく「何を同じまま残すか」も伝えること、参照画像ごとの役割を明示すること、工程ごとに結果を確認することを案内しています。
参照:Canva「Introducing Canva Brush」(2026年10月29日公開)/Figma「The TL;DR on Figma Weave」(2026年10月31日公開。いずれも2026年11月2日確認)
便利な編集機能が増えても、依頼する側の意図が曖昧なら、AIもデザイナーも推測することになります。ここから先は、公式情報を踏まえ、山口トオルが制作依頼や修正確認で重視する実務上の判断です。特定ツールの導入や成果を保証するものではありません。
「いい感じに直して」では、なぜ伝わりにくいのですか?
「明るく」「格好よく」「もっと目立たせて」は、人によって受け取り方が違います。色を変えるのか、文字を大きくするのか、余白を減らすのか、写真を替えるのかが分かりません。
修正の目的が分からないまま見た目だけを変えると、別の情報が読みにくくなったり、企業らしさが崩れたりします。修正指示には、好みだけでなく、読者がどこで迷っているのか、何を判断してほしいのかを含めます。
伝わりにくい指示:申込部分を、もっと目立たせてください。
伝わりやすい指示:申込締切を見落とす人がいるため、日付を見出しの次へ移し、本文より大きくしてください。ロゴ、メイン写真、企業色は変更しません。
手戻りを減らす7つの修正指示とは?
1.対象者と目的
誰に何を理解してもらい、申込、来店、問い合わせなど、どの行動につなげたいかを一文で伝えます。
2.修正する場所
ページ、見出し、画像、段落など、位置を特定します。「上の方」ではなく、ページ番号や項目名を使います。
3.現在の問題
読めない、見落とす、内容が誤っている、対象者に伝わらないなど、直したい理由を説明します。
4.希望する変更
文章の差し替え、情報の順番、文字の強弱、写真の変更など、求める結果を具体的に示します。
5.変えない部分
ロゴ、商品形状、人物、企業色、承認済みの文章など、維持する要素を明記します。
6.参考資料の役割
「1枚目は色」「2枚目は写真の明るさ」のように、各資料のどこを参考にするか伝えます。
7.優先順位と決定者
必須、できれば、検討案を分け、確認期限と最終決定者を決めます。意見の競合を制作側へ残しません。
チラシ・パンフレット・SNS画像では、指示の仕方が違いますか?
基本は同じですが、媒体ごとに確認するポイントが異なります。
- チラシ:日時、場所、対象者、参加条件、申込方法の見落としがないかを優先します。
- パンフレット:ページをまたいだ説明の順番、見開きの関係、表紙と中面の約束が一致しているかを確認します。
- SNS画像:小さい画面で最初に見える言葉、画像の切り抜き、投稿文やリンク先との整合を確認します。
- Webバナー:掲載サイズ、文字の可読性、クリック後のページと訴求が一致しているかを確認します。
別媒体へ展開するときは、単純な縮小ではなく、残す情報と省く情報を指定します。元のデザインを守る部分と、媒体に合わせて変える部分を分けることが必要です。
参考画像を渡せば、言葉で説明しなくてもよいですか?
参考画像だけでは、色、構図、写真、書体、雰囲気のどれを参考にするのか分かりません。Figmaの公式記事でも、複数の参照画像を使う場合は、それぞれから何を引き継ぐかを説明する方法が示されています。
例:1枚目からは落ち着いた緑の配色、2枚目からは余白の取り方、3枚目からは人物写真の自然な明るさだけを参考にしてください。ロゴの配置と本文書体は現在のままにします。
参考画像は完成形のコピーを求めるものではなく、判断材料として役割を限定して渡します。第三者のデザインをそのまま再現する依頼は避け、権利にも配慮します。
複数人の修正意見は、どうまとめますか?
担当者、上司、営業、現場から別々に指示が届くと、同じ箇所へ反対の要望が出ることがあります。制作側へ渡す前に、社内で一つの指示へまとめます。
- 事実の誤りや必須情報を最優先にする
- 対象者と目的に合うかで判断する
- 法令・権利・ブランド上の制約を確認する
- 好みの違いは最終決定者が選ぶ
- 確定事項と検討案を分けて渡す
修正回数を減らすためには、早く返事をすることより、社内の意見を整理して一度に返すことが効果的です。
AIとデザイナーには、同じ指示でよいですか?
目的、変更箇所、残す要素を伝える基本は同じです。ただしAIは、曖昧な部分を対話で確認せずに処理することがあります。小さな変更を分けて試し、各段階で結果を確認します。
Canvaの発表では、Brand Kit対応や参照添付などは今後の改善項目として示されています。発表時点の機能だけを前提にせず、実際に利用できる範囲とプランを確認してください。文字、日付、価格、ロゴ、人物、商品など、誤りが許されない要素は公開・印刷前に人が確認します。
デザイナーへは「なぜ変えたいか」も共有すると、指示どおりの修正だけでなく、目的に合う別案を検討できます。制作を依頼する場合は、命令の一覧ではなく、課題と優先順位を共有することが大切です。
デザイン歴33年の実務判断で、最も大切なことは?
山口トオルは1993年から、チラシ、ポスター、会社案内、営業パンフレット、Webなどのグラフィックデザインに携わっています。
山口トオルの判断:修正で最も大切なのは、最初の目的へ戻ることです。文字を大きくする、色を変えるという指示だけでなく、「誰に、何を理解してもらうためか」を確認すると、直すべき場所と残すべき場所が見えてきます。
修正案が増えたときは、好みの多数決だけで決めず、対象者の読み方、情報の優先順位、次の行動で判断します。AIは案を速く試す道具として使い、最終的な意味と責任は人が確認します。
よくある質問
「もっと目立たせて」と伝えるだけでは不十分ですか?
変更したい場所と目的を加えると伝わりやすくなります。例えば「申込締切を見落とす人がいるため、日付を見出しの次に移し、本文より大きくする。ロゴと写真は変えない」のように、理由、変更点、残す点をセットで伝えます。
修正指示は、メールとPDFのどちらがよいですか?
少量ならメールでも構いません。複数ページや複数箇所では、PDFへの注釈と、優先順位をまとめた一覧を併用すると位置の誤解を減らせます。最終版のファイル名と確認期限も明記します。
複数人で確認するとき、意見が分かれたらどうしますか?
最終決定者を一人決め、意見をまとめてから制作側へ渡します。好みだけで決めず、対象者、広告の目的、必須情報、媒体の制約に照らして優先順位を判断します。
AIへ既存デザインを渡すとき、何に注意すべきですか?
顧客情報、未公開商品、社員写真などを入力してよいか、社内ルールと利用サービスの規約を確認します。また、ロゴや商品写真など変更してはいけない要素を明記し、出力後は文字、画像、権利、事実関係を人が確認してください。
修正の伝え方から、制作の進め方を整理しませんか?
目的や原稿がまだ固まっていない段階から、必要な情報と確認手順を一緒に整理します。
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